
白と黒の斑ぶち。
すらりと伸びた肢体はロンちゃん(愛犬)よりもゆったりと長く、見目麗しい。
しかし顎にも浮かんだ黒模様は、その美麗に一点の翳り落とし、一抹のをかしみを醸していた。
ロンちゃんとは大の仲良しで、二匹で部屋中を駆け回って追いかけっこに興じると、どすどすと重厚なロンちゃんの足音だけが、やけに自己主張が強くてとても五月蝿い。
いいや、五月蝿かった。
我が家で飼われる猫は、歴代どれも「にゃあこ」と呼ばれる。
新しい猫を迎えるたび、家族が各々苦心した名前を考えるのだが、畢竟、なぜかいつも「にゃあこ」で統一されていく。
唯一例外の祖母だけは、孤高に独自の呼び名を貫いたが、それもこれまた歴代すべて、「みぃー」と呼ばれる相違のみであった。
そんな何代目かの白黒斑ぶちの「にゃあこ」が、先日他界した。
生を享けて二年に満たない生涯の、最後の数日間は食べることも寝そべることも適わず、苦しげに座り込んだまま不自然な躍動の腹を伸縮させて、ひとところに佇んでいた。
こんなに苦しいのならば、いっそ。。。
そう脳裏を過ぎるほどに、安らかとは言えない最期であった。
そんな「にゃあこ」の不在に生前の彼女を偲んでいると、そういえばいつぞや、おふざけでBBSに某陰陽師を模した短文を書いたなぁ、と思い出した。
以下、「にゃあこ」と「ロンちゃん」愛の劇場に題名を付して一部改訂し、彼女の短い生涯への手向けに、茲に記す。